風を忘れる

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はじめて 地下鉄の最終に乗った。
普段より 
目つきや雰囲気が鋭めのひとが多いなと感じていた。


ある駅で乗り換えて 電車に乗り込んだ。
他の車両より えらく空いている。
席をみつもっていると どこからか男の泣き声が聞こえてきた。
誰か唄っているのか、売り子か酔っ払いか。


無意識に声のする方へ 目をやる。


まず床に水が幾筋か。
その元をたどっていくと
ドアの前でしゃがみこみ号泣する男が 生けるカオスと化していた。


一瞬 かたまりまくるが
ふと我にかえって なんとか席に座ろうとした途端
ものすごいスピードで臨界点が来た。


この車両は すでに仮死状態に陥っているようである。


同じような心理状況をたどったらしき人々が
表情を凍らせながら 無言で隣りの車両へ移っていく。


たったひとりだけ 女の子が座り続けていた。


根性がおありだと じっと見やると 彼女は 眠っていた。  

すぐそこに渦巻くカオスにまるで気付かずに。



最終電車は 彼女をどこまで連れていくのか 

途中下車のわたしが知れるわけもない。
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by tanta720 | 2011-03-07 01:42 | 韓国 日々 | Comments(0)