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マンナソ 

役者をやってる友人から手紙が来た。
秋に打つ公演のチラシも一緒に。

この芝居の後、韓国へ留学するのだとか。
そういえば、以前から「行きたい」という話は耳にしていた。

けれど、実際に行動に移すとは思ってもみなかった。
早かったような、そうでもなかったような。
少なからずの衝撃。正直、羨ましさやらなんやらの複雑模糊な気分だ。

今、ある教室に通っている。
今日もおぞましい日差しに打たれながら、原付で往復してきた。
集う年齢層は、バラバラだが、圧倒的に女性が多い。
私と意向やバックボーンがかなり異なる人達であることは、じきに知れてきた。
これは手強い。さっさとおじけづいておくことにしていた。

とはいうものの、お友達を探しにきたわけではないので、
硬派で行こうとココロに決めていたんであるが、
なぜか、皆お喋りで、あけっぴろげで、なんとも屈託がない。
気付いたら、話しかけられて、嬉しそうに答えている自分がいた。

大体が、知り合うきっかけって、こんなもんなんだよな。
留学する友人も、韓国語講座で知り合わなければ、きっと見ず知らず同士だった。
もしくは、舞台と客席という場所でしか出会えていなかったのでは。

彼女の夢は大きい。
純粋で、そのために努力していることも、口にせずともなんとなく伝わってくる。


ここ数年、このような存在が、自分の廻りからじょじょに姿を消していってるような気がしていた。
そんなことすら十分に気付けなかったか、
もしくは一瞬巡ったところで適当にやり過していただけか。

両方だ。両方を携え、指をくわえて遠くその方を眺めている、
妙に現実的で面白みに欠けた私というもの。それは現実そのものでもある。
私のココロから居場所を追われ、忘れ去られた何者かが、
友人らの姿を借りたまでのこと、なのかもしれない。

彼女らが振り返り、ときおり手を振るのを見つめる。
あれは、お別れを告げているのか、再会の約束なのか。
はたして、どうなのか。
それは、私が決めて、私で決まる。


マンナソ _f0073699_002055.jpg

by tanta720 | 2006-08-06 02:22 | ことば | Comments(0)